DESIGN CONCEPT



空間構成:重松象平


1:1

オープニング展では「ここ」をアートギャラリーとラウンジという機能別に二等分しました。今回もアーティストのワークスペースとオーディエンス(客席)を半々とします。通常の音楽会では音楽家の領域と客席の比率は1:1ではありません。当たり前ですが、より多くの人に聞いてもらえるよう、客席のほうが大きな割合を占めます。ここでは敢えて半分半分にすることによって、音楽家と観客の双方がより濃密に互いの存在を感じとれることができるようにしたいと思いました。公開制作ということなので、演奏する側と鑑賞する側という単純な関係性の枠を超えて、「創作」に対する「観察」、「監視」、「記録」など、より幅広い関係性をつくりたいと考えたのです。空間的には二つの領域の間にハードなラインが引かれていますが、その明確な区切り方が逆に、視聴覚的には双方が複雑に交差している状況を際立たせています。




音を視覚化する

ここでは実際の音だけではなく、音楽家が音をつくっていくアクティビティやムーブメントも音と捉え、その動きが最大限にそして多次元に見えるようにしています。天井が鏡面になっているので、どこからでも音楽家の動きを見ることができます。通常の客席から見る視点とはまた別の視点をつくるということです。(ものを逆さまにしてみると至って違った発見があるものです。)コンピュータ、キーボード、ピアノ、ミキサーなどを操る手の動き、スケッチの内容など、普通ならば観察していても見えない動きまで見ることができます。そして音が空間に響いていくように、音楽家の動きが増幅されて、空間いっぱいに充満することになるのです。





シンクロする

ウェブでも「ここ」でのアクティビティと音を鑑賞できます。さらにウェブで流されている映像をシンクロしてギャラリー内に投影しています。カメラを通して見る音楽家の動きにはまた違った発見があるかもしれません。こうして実際の渋谷慶一郎、鏡面天井に映った渋谷慶一郎、デジタルな渋谷慶一郎が空間を占領し、観客は、渋谷慶一郎から音が生まれるときの動きを最大限に体験できるようになります。





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